キャリア選択について
Issue
若手が転職、大学院進学を理由に会社を辞めることに対して、
「バカだなぁ」
「もったいない」
とかの反応をするおじさん世代について思うことを書きます。
なぜ辞めるのか
会社を辞めるというのは、いろんなリスクを伴います。
敢えて会社を辞める決断をする人は、そのリスクをテイクしているんです。
リスクをテイクする理由は、
「今の会社では自分の未来を実現できないから」
という理由以外にありません。
「自分の未来」というのは人それぞれです。
- 別フィールドにチャレンジし、そのフィールドの第一人者になりたい。
- もっと高給な仕事に就いて、生活水準をもう数段上げたい。
- 給料が下がってもいいから、ゆとりをもって働き、自分の趣味に使える時間を増やしたい。
いずれにせよ、今の会社にそのまま勤めているよりも人生が充実すると考えるから、敢えて会社を辞める決断をするのだと思います。
辞める若手に対するおじさんの反応と僕の考え
僕の会社でも、辞めていく若手がいます。
そのことに対して、おじさん世代が以下のコメントをしていたんです。
僕はそれが全く納得いかなかった。それぞれのコメントに、僕の考えを書きます。
- 「こんな給料も良くてそれなりにゆとりもある会社無いよ。本当にわかってない」→そんなことわかってるよ。それでも辞めるんだよ。その人にとってのキャリア選択に、その部分は重要じゃねぇってことだよ。
- 「うちの会社でそれなりに出来ても、外じゃ通用しないよ。若手は身の程知らずに外でちゃうなぁ。そうやって失敗してる人いっぱい見てるからわかるんだよね」→むしろそれがわかったから辞めるんじゃないの?まさに「外じゃ通用しなさそう」な人たちを見て、自分はこうなりたくないから辞める決断したんじゃないの?
独身の人、結婚して子供がいる人、親の介護をしている人、それぞれの事情があります。したくても転職できない状況の人もいると思います。上記コメントも、一種の羨ましさから出たものかもしれません。
だとしても、一つの真実があります。
誰にも、非難する権利は無い
敢えてリスクテイクした理由は人それぞれなんだから、その決断を尊重してあげるべきです。
後ろ指さすような文化なら、どんどん若手は離れていくと思います。
まとめ
外資系企業の中には、辞めていった人を「アルムナイ(卒業生)」と呼び、そのネットワークすら大事に使おうとする企業があります。
日本企業も、そうあるべきです。
少子高齢化による人口減に直面している日本では、従前の終身雇用が構造的に成り立たなくなってきています。逆ピラミッド構造では、上がつかえるからです。
人材の流動性はもっと高まります。その中でいちいち辞めた人に後ろ指さして、いったい何になるんでしょう。
人が真剣に考えた決断に陰口を叩くような人間だけにはなりたくない。
僕はそう考えています。